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恥知らずのウェブエンジニア -web engineer, shameless

これは一歩を踏み出すことができない者たちのブログ

【翻訳】「ザ・パス」 リカルド・ロケット

original by www.theplayerstribune.com


Butler picks off Wilson to seal Patriots Super Bowl XLIX victory

あのビデオを見ることができない。見ると立っていられないだろう。人々は「あれは完璧なインターセプトだった」と言う。俺がエンドゾーンに入っていたカメラアングルもあると言う。みんな第49回スーパーボウルの最後のプレイについて色々なことを言う。俺は知りたくもない。そういう話になる度、俺は背を向ける。

でもすべての動きを覚えている。1秒ごとに。ハドルに向かい、そしてラッセル・ウィルソン(ラス)がみんなを見て、「いくぞ。やってやるんだ」と言ったことを覚えている。俺たちが勝つことを信じきっていた。疑いもしていなかった。信じていなければラスを見られない。ラス以上に自信に満ちたやつを俺は見たことがない。彼は一年中練習していたプレイをコールした。俺たちはそのプレイをシーズンで同じようなシチュエーションで3回コールし、すべて完璧に成功させた。絶対に止められないプレイだ。

そのプレイはいつも俺にボールが来た。やるか、やられるか。やろう、スーパーボウルを勝ちに行くんだ。俺はセットポジションに向かう、スタジアムの耳が痛くなるような歓声の中。逆サイドを見ると、ダグ・ボールドウィンをダレル・リーヴィスがカバーしている。俺たちが望んでいたマッチアップだった。何か考えたり、神経質になる前に、ボールがスナップされた。俺は走り出し、ジャーメイン・カースが俺の前でピックに入った、100回はやったことだ。俺はラスを見た、ラスを見た、、、ボールが来るのが見えた。ボールが来るのが見えたんだ。その景色が止まることはない。

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次に起こったことは、俺はフィールドに膝をつき、「パス失敗か?」って周りを見た。ペイトリオッツのサイドラインを見ると、トム・ブレイディが飛び跳ねていた。そして俺たちのサイドラインを見るとみんな呆然として、うなだれていた。

俺はあの痛みを忘れることはないだろう。絶対に。

幼少期、俺はジョージアの汚い道で自転車を乗り回す汚い子供だった。TVで見られるような人間になるなんて考えもしなかった。高校になるまで、俺の足が速いなんて知らなかった。陸上のコーチが俺をチームに入るよう説得してきた。俺は、「コーチ、トラックを走るようなやつはバカにされる、俺はモテたいんだ」でも最後には高飛びをやるように説得された。ある日、4×4を走るはずの部員が来なかった時、コーチは俺に言った、「リカルド、君が必要なんだ」

俺はその時、バスケットボールのハーフパンツに、重いエアジョーダンを履いていた。「コーチ、でもさぁ・・・」

コーチは言った、「代わりはいなんだ、走るだけでいいから」

そして、俺はトラックに入り位置についた。他のやつは全員スパイクを履いて、ゴールドのチェーンを付けて、ナイキと契約しているようなイケてるサングラスをしていた。バカにしてるのか?面倒なことに巻き込みやがってというようにコーチを見た。

バン!スタートのピストルが鳴った。俺はエアジョーダンで走り、そのリレーのベスト記録を出した。それから俺はずっと走り続けている。俺のスピードは2011年のNFLコンバインで噂になった。フォートバレー大学の4年生の時に1タッチダウンしかキャッチしてないのにだ。でもそれだけでドラフト指名されることはなかった。俺は未熟だった。ありがたいことに、シーホークスが俺の姿勢を気に入ってくれて、プラクティススクワッドにしてくれた。

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2011年のクリスマスイブ、49ers戦のメンバーになることができた。これ以上にいい筋書きはない。49ersは父が大好きなチームだ。父は試合の応援に来てくれた。ゲームの最初のプレイ、俺はハドルの中にいてその時QBだったタバーリス・ジャクソンがダブルライト、ダブルゴーをコールした。彼は冷静な目で「お前に投げるから、ただ走れ」と言った。

ハドルを離れたくなかった。一瞬そこで凍りつき、ハドルブレイクした。俺は定位置に小走りで向かった。対面にはカルロス・ロジャースがいて、彼を見て思った。「マジかよ、マッデンで彼を使ってインターセプトしまくったぞ。これはクレイジーだ!」

次の瞬間考えたのは、「彼は俺より早くはない。いこう。やってやるんだ」

ボールがスナップされ、スタジアムが静まり返り、俺は走り出した。10ヤード、20ヤード、30ヤード、40ヤード走り、俺は顔を上げると、ボールが浮いていて、ボールの回転がスローモーションで見えた。まるでコマ送りの映画のように。俺は手を伸ばし、ボールをキャッチした。ドカン。俺はグランドに叩きつけられた。次に知ったのは観衆からのクラウドノイズの轟音とサイドラインの仲間が俺を包んだ。まるで試合に勝ったかような狂騒だった。まだ第一クォーターなのに。

俺はそのシリーズのあとサイドラインに戻り、スタンドにいる父に向け言った。「メリークリスマス」と。

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NFL最初のプレイでカルロス・ロジャース相手にキャッチするなんてクレージーだから、俺はこの話をいつもすんだけど、誤解される。あのゴールートはスピードで勝ったと。それだけでリーグにいることはできない。シーホークスのプレイブックには600以上のプレイがあり、加えて書かれていないリードやバリエーションがある。ロードの試合の時は騒音のせいでラスからのコールが聞こえない時もある。だからもし彼が違うリードをしたらサイン、ウィンクあるいはただ直感で連携を取らないといけない。

あそこはクレージーな場所なんだ。NFLのゲームには身体能力や血筋以外のことがある。そうでなければスーパーボウルに2年前連続で出場することはできなかった。俺たちのほとんどはドラフト下位、ドラフト外ドラフト外の無名選手だった。成果を出し続けることによってのし上がってきた。どのチームも精神力があると思うかもしれないが、本当はそう多くはない。俺はシーホークスと契約後の最初の夜を今でも覚えている。ホテルに向かうとルームメイトのダグ・ボールドウィンがすでにいびきをかいて寝ていた。

俺は「ゴメン、起こしちゃったかな」と言うと、 彼は「いや、全然いいよ」と、そして 「フォートバレー大学のリカルド・ロケットだ」 「スタンフォード大学のダグ・ボールドウィンだ」 俺たちは両方ドラフト外。彼の方が試験が少し難しいぐらい。

それからベッドに戻って言った「早く寝なきゃ、俺達には明日やらなきゃいけないことがあるんだ」

その日からそれは変わっていない。俺たちは早起きして、練習施設に向かい、遅くまで居た。俺たちは同じランチテーブルの同じ席で食事をした。ダグか俺どちらか疲れている時はお互いを「ドラフト外だ。お前はカットされる寸前だ」というように見合った。お互いにそれで高め合った。ダグと最初に出会った夜、俺は車を持っていなかった。アパートもなかった。大学から持ってきた着替えの入ったバッグ、レシーバーグローブとホテルの部屋しかなかった。それが全てだった。数百ドルと一つの夢だけだった。

2013年スーパーボウルチャンピオン、2014年スーパーボウル出場を振り返って、俺は感謝しなければいけない。それらは連覇できなかった痛みを和らげるだろうか。絶対にそんなことはない。人々は敗戦の後、「マルコム・バトラーは完璧なインターセプトを決めた。彼を称えるべき」と言ってくるようだった。

そんなのは馬鹿げている。それは誰かがあなたの兄弟を撃ったけど、それはいいことだったと言うようなものだ。痛みが和らぐことはない。もう一度あの場所に戻って、スーパーボウル制覇する以外に痛みを取り除くことはできない。ラッキーなことに周りにはいいやつがいるが、このオフシーズンは本当に相当しんどかった。ベッドルームの天井だけを見る夜もあった。他の人が言うことなんか気にしなかったが、チームメイトが俺をどう考えているか心配だった。

それから4月、俺はラッセルからメールを受け取った。彼はハワイで選手だけのワークアウトを開催していた。今年で3年連続。俺たちがそこで出会った時、それはまるで映画のようだった。俺は太平洋を見下ろす岸壁に立っていて、そこには文字通りクジラが潮を吹いていた。「ジョージアのアルバニーからここまで来たのか」と考えたのを覚えている。

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俺は長い間太平洋を見ていた、そしてラスが歩み寄ってきた。スーパーボウルのあとにお互い会ったのはそれが初めてだった。俺は眠れない夜がたくさん有ったことを告白した。彼は俺もだと言った。それから彼は俺を見て「俺たちはあの場所に戻る。そしてもし同じ状況になったら、またお前にボールを投げる。今度こそ上手くいく。お前を信じている」

それはリハーサルされたスピーチじゃなかった。こういうことを言うクォーターバックがいるが、言ってるそばから本人が信じていないことがわかってしまうことがある。ラスの特別な所はフットボールを越えて何が起こっても他人を信じる所だ。疑り深い人にはわからないだろう。

俺は「わかった」と言った。

俺たちはハグをして、その時は終わった。それだけで十分だった。俺たちはアロハシャツを着て岸壁に立ち、陽が沈むのを眺めていた。大きなクジラが辺りを漂っていた。

俺は時々自分の頭を振らないといけなくなる「Yo、これはマジで現実なのか?」って